はり・灸について
鍼灸治療:五千年の歩み
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鍼灸は中国で数千年前に始まりました。 既に紀元前の段階で「黄帝内経」と呼ばれる医学書が出される等、西洋医学とは比べ物にならない長い歴史の中で、着実に進歩を遂げ、漢方薬と並び東洋医学の中心的役割を担ってきました。
日本では6世紀の中頃に仏典と共に鍼灸が中国からもたらされたのが始まりで、その後聖徳太子が遣隋使を派遣し資料や技術を持ち帰ったことから、本格的に伝来しました。以来1400年間、西洋医学が主流になるまで日本の医療の主役として貢献してきました。
近年では、世界中で西洋医学の立場からも鍼灸治療(東洋医学)を見直す動きが出た結果、その科学的根拠と安全性が認められ、積極的に治療に取り入れる医療機関が増えています。
また、中国や日本だけでなく欧米も含め世界中で鍼灸治療が行われるようになりました。
東洋医学での健康の考え
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東洋医学では、体内の「気」と「血」のバランスが保たれている事を「健康」と定義しています。
「気」と「血」は「経絡」という経路で全身を巡っています。 病気とは「気」と「血」のバランスが崩れた状態を言います。
病気になると影響は「経絡」に現れます。
この時、経穴(ツボ)と呼ばれる経絡上にある特別なポイントに反応が現れますが、このツボに鍼や灸を施す事で「気」と「血」の流れが改善し、症状を治めることができます。 鍼灸5000年の歴史の中で365のツボが発見されており、症状に応じて適切なツボに適切な鍼灸刺激をする技術が確立されています。
鍼灸の予防的効果
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人間は身体のバランスを正常に戻し、健康を取り戻す「自然治癒力」を持っています。
しかし、ストレスや過労に陥りがちな慌ただしい現代社会では、この「自然治癒力」が弱まったり失われたりしてしまい、自分の力だけでは健康を維持できなくなる可能性があります。
こうした場合、あらかじめ鍼灸でツボを刺激し「気」と「血」のバランスを整えておく事で、本来持つ「自然治癒力」を高めておくと、万が一身体や精神に負担が掛かった時にも健康を維持できる様になります。
病気になる前にこうした予防目的で鍼灸を用いる事は非常に有効な健康法です。